奈良と琵琶




東大寺正倉院には、奈良時代、平安時代の宝物が収められています。

毎年、10月下旬から11月上旬に、勅封されていて普段入ることができない(勅封とは天皇の許可をもらった使者が来ないと開かないように厳重に封をされているという事です。) 正倉院から、宝物の一部を奈良国立博物館に移して『正倉院展』が開催されています。
ちなみに、東大寺の正倉院自体は、外観のみ拝観することができます。

現在(2014年現在)『天皇皇后両陛下傘寿記念 第66回正倉院展』が開催されていますが、
毎年、約1300年前から伝わる御物や宝物が一般公開されています。

日本の一流の技術を結集して造られたものや、当時最先端だった唐や、
西域からシルクロードを伝来してきたものが、時を超え、
現代の我々が目にすることができる事にすごくロマンを感じます。

その宝物の中に、2010年に『正倉院展』で公開された、世界で唯一現存する五弦の琵琶
『螺鈿紫檀五弦琵琶(らでんしたんごげんびわ)』があります。
約1300年前(7~8世紀)に唐から伝わったものとされていますが、
その螺鈿や装飾の美しさは観る人の心をうちます。
この唐の技術を日本人が上回るのは11世紀を過ぎてからだといいますから、
ホントに当時の唐はすごい技術を持っていたんですね。

正倉院にはその他にも数点琵琶が存在しますが、
この琵琶という楽器はかなり古い時代から奈良に(日本に)存在していたようです。

現代にも琵琶は存在していて、僕が演奏する薩摩琵琶もその一つです。
その音色は、当時の琵琶と比べると、より日本風にアレンジされたものですが、
姿はあまり変化がありません。
日本人が海外の物を取り入れて日本人に合う形にアレンジする力は昔から変わらないですね。

1300年前から現代まで伝わる琵琶。
今、原点である奈良の地で琵琶を演奏できることに、僕はすごく魅力を感じています。
このゆったりとした奈良の雰囲気に、琵琶の音はすごくマッチしているんですよ。
普段はウガヤで弾いていますので、演奏のご希望がございましたらお越しの際にお声掛けくださいね。

ありがとうございます。


瀬戸一平